
バブル時代の流行
これはバブル時代を生きた人たちには伝説となっているお話です。バブル真っ盛りの頃、給料袋が立つと言われた商社マンたちは金曜の夜から羽田空港へ行き深夜便でハワイへ渡航、月曜早朝便で帰国するなどという無謀な遊び方をしていました。経済的に問題がない時代だったので誰も咎めることはありませんでしたが本来なら本当に肉体に負担をかける遊び方であったと思います。
JAL金曜夜羽田発ハワイ行きビジネスクラス
そんな中で日本航空「羽田発ハワイ行きビジネスクラス」がとても人気になっていたことがありました。その理由は機内食が通常であればトレーの上に並んだ簡易なプラスチックや紙のお皿に並んだ肉や魚を体を小さくして食べる(男性の場合)のがほとんどであった時代に、機内食に客室乗務員の女性が「炊きたてご飯」が入ったお櫃(おひつ)をトレーに乗せビジネスクラスの各席を回り「機内食でございますがおにぎりをお作りいたします。お好みの具材をご指定ください」というサービスを行っていたのです。
CA手作りオニギリ
これは当時ものすごい話題を呼びました。なぜならコンビニ全盛期の上にファミレスも全盛、人の手を介して食事が提供されることを感動的に見れるのは「寿司屋」くらいしかなかったのです。ステーキやお好み焼きなどごく一部でお客様のテーブルの前での調理がありましたが、うら若きキャビンアテンダント、客室乗務員の女性が手で握ってくれる「おにぎり」を窓の外の広がる「青い海と空」を見ながら食べられるなんて当時のバリバリのサラリーマンにとっては夢のような話だったわけです。
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作ってもらえる嬉しさ
この思考パターンは今のビジネスにもそのまま使えることがおわかりでしょうか?別に若い女性を偏重して申し上げているのではありません。人の手の大切さをご理解いただきたいと思っているのです。例えば近隣のスーパーでも最近「おかずの具材だけをセットした弁当」の販売が始まりました。お米はお客様の好みで「大中小」を選ぶことができ、その場で担当の女性がお客様の注文に合わせてご飯を盛ってくれるわけです。それでも通常のお弁当よりも何倍も人気があります。売れ方を見ていれば通常の出来合いのお弁当よりも何倍もの速さで売り切れていくのです。
おもてなしの心を
日本人の場合、自分のためだけに「作ってくれる」とか「用意してくれる」ということにとても弱いと言えるでしょう。古くからの家庭にあった「手作り感」を自分のためだけに用意されると思わず「喜んで」しまうのです。その証拠にキャバクラで水割りを頼むのもカウンター越しのバーテンよりも目の前でうら若き女性が作ってくれる水割りが「美味い」と感じる人も多いのではないでしょうか?注文を受けてから作るお弁当「ほっともっと」がとても人気なのもわかる気がしませんか?
手作りを目の前のお客様のためだけに作るというビジネスを考えてみませんか?
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