ふるさとRe:Boot研究所

本当のふるさとを愛するために今私たちの出来ること

御師の存在

約3分
御師の存在

 

山の案内人

 

かつて神社仏閣を擁する山岳には御師と呼ばれる人たちがいました。遠くから霊山に参拝する旅人にとって山岳はなれない足元の上神霊が宿るとされていた山中に無礼を働かず、また神霊の怒りに触れないためにも安全な道案内が必要であると認識した上でのことでした。

かつては宿坊とセットだった

 

今でも古くから山岳信仰のある霊山の麓には宿坊とセットで「御師」のご子孫がお住まいです。本格的な登山以外はかなりのエリアまで車で入れたり徒歩でもかなり足元が整備されるようになった今はほとんどそのお仕事はありません。しかしこの御師という制度を現代に復活させてみてはいかがかと提案したいと思います。

明治に入るころに廃仏毀釈(神道と仏教を分離させて管轄を分けることとなった)により山伏を含めた山岳信仰は徹底的に弾圧されかなりの僧籍を持つ山伏たちは還俗させられたと言われています。そのため当初は仕事がなく霊場として残っている霊山への道案内を含めた「御師」の職に就いた元修験の方たちも多かったようです。

御師の減少と遭難

 

現代、何も知らずにハイキング気分で山に分け入り遭難する人も少なくありません。また熊や猪などの野生動物との遭遇に対する知識もないまま山中に分け入ってしまう人も多いようです。地方の行政は放送などでその危険性を広報していますがその効果にも限度があります。なぜなら危険は現場にあるのであって来訪者は「危険も承知している」と思っているからです。

やはり現場でその危険を説いてくれる存在が一番安全を確保できる手段です。また豊富な経験が来訪者の心を打ちリピーター対策にもなります。山の低位なら若い人たちでも無理なく案内できるので高校生くらいから活躍も可能です。

山では最も頼りになる存在

 

単純に危険なエリアの注意喚起だけではなく風光明媚なポイントを教えたり四季折々の景色の解説など案内できるテーマはたくさんあります。また山頂周辺にお茶屋があればご案内も可能ですし、帰り道にオススメのお食事を提案することもできます。

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若い御師の方たちが定期的に動画やブログで山の情報を配信すれば若い来訪者も増えるでしょうしそこにコミュニティーやネットワークが作られる可能性もありますよね。それこそ近年流行している「山ガール」のさらなる活性化も期待できます。

単に歴史のヒトコマではなく

 

江戸時代から続く山岳信仰と御師の関係を上手に活かして地域の観光ガイドや案内役として復活させてみるというのはいかがですか?きっと今時の子供たちの中にも「御師」をやってみたいという子はでてくると思いますよ。

About The Author

代表katoP
katoP(Pはプロデューサーの略)
神奈川県生まれ。
神奈川の県央部の高校を卒業し東京にて大学を卒業。
20世紀を不動産業と金融機関交渉代行を仕事として過ごす。
(主に賃貸と都市銀行との交渉)
21世紀に入り町おこしのプロデューサーを始め、独自メディアの編纂やコストを減らした広報手段等をアドバイスしてきた。
創刊した広報誌の編集長は軒並み2年以内に各都道府県の知事と対談しTVに出演、中には世界規模の活動に成長した組織もある。
このたびその活動を元に日本中で行われる町おこしの実体と検証、また主に学生たちの町おこし活動をまとめ、各地の町おこしの参考実例集を作るべく「ふるさとRe:Boot研究所」を立ち上げた。
各メディア記事と実例を元に、独自の視点でのイノベーションを提案するスタイルにファンも増加中!!

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