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人口が多いエリアで地域おこしが上手くいかない7つの理由

約5分
人口が多いエリアで地域おこしが上手くいかない7つの理由

とある地域の地域おこし

ある時、私が教えている一人の女性が同じ県内のある地域おこしへ参加することとなった時のお話です。大学主導のその地域おこしは子供たちに優しく、シャッター街に活気を取り戻すという内容であったそうです。そこで大学生にお話を聞いた後、オススメのコースを辿ってみて気づいたこととは?

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実はその地域は地方のターミナル空港から30分以内、途中に大きなJRのターミナル駅を抱える地域でありながら街中はシャッター街になっているというエリアでした。そのため大学生の奮闘にもかかわらず人影はまばら、子供たちも地元の子供しかいないという状況であったと言います。

なぜ都心部の地域おこしが上手くいかないのでしょう?その理由について考えてみたいと思います。

人がいるので活性化の必要性を感じていない

これは大きな問題で、地元の商店街が活気を失った結果として郊外型大型スーパーへ人が流れてしまう構図です。以前もとある地域の例をあげましたが店が開いていないから人が来ないことと、人が来ないから店を開けないという鶏と卵型の議論が続いています。しかしこれは店が開いていない限り話は進みません。また地元民が自ら郊外型スーパーで買い物をして地元が活性化するとは思えません。その対策として地元消費を支える商品券などを販売しましたが地元民は買い漁った挙句、お得な買い物が終わればまた郊外型スーパーへ消費を戻すと言った結果に終わっています。それも人が多いからこその事。人が少なければ郊外型スーパーの進出も少ないのは明白です。

イベントなどの企画が皆無

今回お話しした地域は大学生が参加してくれてイベントにしようと努力をされていましたが「どうせ客は来ない」「活気なんて出ない」と思い込んだ地元民しかいないエリアでイベントを企画するのは至難の技です。やったところで地元の賛同者がなければ話題性も盛り上がりもありません。また盆暮れ正月、クリスマス、バレンタインデー、七夕など挙げていたらきりがない季節の風物詩をことごとくスルーしてしまったらイベントになりようがありません。努力以前にカレンダーを見た方がいいという答えになってしまいます。

地元の人たちの交流がない

これは上記のイベントがないことと関係がありますが、地域のイベントが多いエリアは子供会から商工会、JAなどのつながりが強固なエリアが多いです。子供さんが多ければそれだけでも活気が出ますし、大人も子供を喜ばせたい一心から数々のイベントを仕込んでいきます。そこから良い循環が生まれてくるというものです。また歴代の同級生同士などの風通しの良い関係から企画を上げるので打てば響く関係が作り出すイベントは強力です。例年の活動に基づいたイベントであれば歴史的背景もありますから勢いもあるわけで恒例行事となってしまう強みがあります。

他地域、他団体とのつながりがない

都心部の百貨店を視察するとすぐに目に入るのが「大〜祭」と言ったポスターです。あの「〜」の部分には都道府県名が入ったり、地域の名前が入ったりします。「大北海道祭」とか「大沖縄展」とかですね。または「大駅弁祭」とかもあります。これはその地域やそのテーマに基づいて多くの企業が相乗りして行うイベントです。お互いがいがみ合っていては不可能ですね。また地域ごとの交流は流通を促すこともありますし、様々な相乗効果があります。それをわざわざ手放すように行わないのは勿体無いと言わざるおえません。

新しいことへのチャレンジの意思がない

イベントや特産品一つとっても地域における歴史的に背景があるものから、21世紀に入って始まったものもあります。しかしどちらにしても最初の第一歩は「新参者」から始まります。これは地元民、地域関係なく余所者、世間知らずの若者であっても同じです。福岡で浪人生に絶賛されたことから広まった博多ラーメンのように必ずしも高級路線が低価格路線を席巻するわけではありません。ただ新しいことをやろうとしただけなのです。それが広く大衆に受け入れられた結果、新しいものが世間を動かしていくということになります。

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客観的視点がない

地域の特産品が流通を経てどういう評価を受けているか客観的に見ている人は少ないと思います。例えばそれは地域のある都道府県のアンテナショップの規模を見るとわかります。地元の製品や特産品をよく理解し、新製品の開発に余念がない地域はアンテナショップも大きい傾向があります。これは地元の市町村役所や都道府県庁がどれくらい地元の製品の強みを調査しているかにも関係します。客観的視点を取り入れるためにわざわざ百貨店の外商部の人間をヘッドハンティングする地域もありますからその重要性は自ずと知れてくるというものです。

広報の重要性がわかっていない

地元の有名イベントだからということで何一つ広報を行わないエリアは多いです。毎年行っているからということで放置で「勝手に取材に来てください」ではいい報道はなされません。やはりお客様に足を運んでいただく以上、十分広報の効果が出る準備が必要です。最低でもプレスキット、広報担当窓口、イベント責任者、例年の内容と今年の特色などは広報する必要があると思っていいでしょう。

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地域おこしの成功はイベント本体よりそれに付随することが多いのがご理解いただけたかと思います。しかしながらそれを理解するだけで都心部でも十分人を集めることが可能であるということが見えてくるのではないでしょうか?やればいいだけのイベントから毎年の開催が待ちわびるイベントに作り変えて行ってみてはいかがでしょうか?

About The Author

代表katoP
katoP(Pはプロデューサーの略)
神奈川県生まれ。
神奈川の県央部の高校を卒業し東京にて大学を卒業。
20世紀を不動産業と金融機関交渉代行を仕事として過ごす。
(主に賃貸と都市銀行との交渉)
21世紀に入り町おこしのプロデューサーを始め、独自メディアの編纂やコストを減らした広報手段等をアドバイスしてきた。
創刊した広報誌の編集長は軒並み2年以内に各都道府県の知事と対談しTVに出演、中には世界規模の活動に成長した組織もある。
このたびその活動を元に日本中で行われる町おこしの実体と検証、また主に学生たちの町おこし活動をまとめ、各地の町おこしの参考実例集を作るべく「ふるさとRe:Boot研究所」を立ち上げた。
各メディア記事と実例を元に、独自の視点でのイノベーションを提案するスタイルにファンも増加中!!

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