昭和に生まれたバーチャルドライブスルー
古(いにしえ)と言っても昭和に発生したビジネスです。なぜスゴイのかといえば「場所代がかからない」「出来高給料」「地元の定着率」「高齢者の仕事の提供」など様々な面で奇跡的な結果を続けているからです。
その名も「ババヘラ」
以前にも書きましたが秋田県は夏の間道路の端にビーチパラソルを広げて麦わら帽子のおばあちゃんが座ります。そこで「アイス」を売っているのです。ヘラでコーンにアイスを塗りつける光景から「ババヘラ」と呼ばれています。道端なので場所代はありません。保冷剤付きのアイスをケースに入れてワンボックスカーから降りてきて一日中アイスを売ります。場所がどれくらい決められているのかはわかりませんが売る人は100個くらいは普通に売っていると思います。
ライバル競合の中生き残るしたたかさ
なぜこれがスゴイのかといえば秋田県には日本で一番たくさんの「道の駅」があります。その道の駅は各々2〜3種類のご当地ジェラート、シャーベットなどを誇っています。一年を通して回る人もいるほどの「アイス王国」秋田県にあって「どこで食べても同じ」「値段も同じ」「ばあちゃんが売ってるのも同じ」「夏しか売らない」にも関わらず20世紀から脈々とそのアイスは売られ続けているのです。
時代の流れを越えて
高齢者のビジネスなので当然世代交代もされているでしょうし引退もあるでしょう。その度に新しい高齢者を雇い入れ現場につかせるわけですから人事管理もかなりの手間であると言ってもいいでしょう。また季節や天候に左右されますからそこも難しいところですね。ところが地元民は道の駅より「ババヘラ」の方が知名度が高く、人気も衰えることがないのです。
道の駅でのドライブスルーは無い
言い換えれば昔ながらのドライブスルーと言ってもいいということになります。運転手が職業の方などは仕事の合間に道端に車を止めて「ババヘラ」を買って食べながら仕事をしたり、営業の方も車を止めて一服したり色々な方が買っては仕事に戻るという光景がくり広がっています。
季節を味方に
ここから「道端で売る」ということが古代からのビジネスであることが見えてきます。通りすがりは最強の「お客様」そして天候や季節は全て「販売のためのリソース」として考えられるということになりますね。残念ながら冬場は雪が深くてビジネスになりませんが逆に暖かいエリアは暖かいものを道端て売ることはチャンスかもしれません。実際、コンビニのおでんなどは不滅の定番と化していますから。
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