友人の招待
以前、友人が知り合いの寿司屋さんに連れて行ってくれたことがありました。その日の一番美味しいところを出してくれと言って刺身と寿司をお願いしたのです。一品ずつ出てくるメニューは品が良くとても美味しかったのを覚えています。実はその時にハプニングがありました。それはその刺身と寿司のネタを仕込んでいる漁師さんが私たちの並びに座っていたのです。ところがそれを言わずに私たちの接客をしているものですから私たちの会話はまる聞こえです。その結果どういうわけかいたく気に入られ様々な賄いメニューを食べさせてもらえることになったわけです。
どんどん出てくる裏メニュー
特別な賄い飯が次々と出てきた理由は私が出るもの出るもの全て「こりゃ美味い!!」と言っていたことに起因します。隣の魚屋さんも面白がっていたのでしょう。知り合いが連れてきた男が台の魚好きで出すもの出すもの「美味い」という。しかもどうやら想像以上に食い道楽のようだ。これはいっちょ驚くような魚を食わせてこの男の周りに「〜の魚は最高だ」という噂でも流してやろうじゃないか?というような思いもあったのでしょう。地方都市からすれば都会者を驚かせるにはいい機会だったのではないかと思います。
ベースにあるのは友人関係
そもそもこの寿司屋と魚屋さんは友達同然です。私の友人も寿司屋とは知り合いでした。ですが魚屋とは知り合いではありません。つまり友人もある意味一杯食わされているわけです。とは言え私がいなければその空間は地元の仲の良い友達同士が遊んでいるような空間に見えなくもありません。
都会では少なくなってきている
こういった空間はありきたりの当たり前の空間ではありますが、地元民以外からすれば本当に贅沢な時間であり、羨ましい人間関係でもあるのです。商売っ気も薄く美味いものがあれば食べるけど無いならいらないよ!!的な友達関係の中にいるようで居心地のいいものです。この雰囲気を売りに出しているところはなかなかありません。
地方は寂れていくといいながらもこう言った空気感は時代を超えて居心地の良いものです。無理難題もなく小言もなくなんとなく美味いものをなんとなく啄む。そんな時間を売りにしてみませんか?ということなんですね。
本能的に求めている
一昔前にテレビ番組で有名司会者などが経営しているかのようなセットの中でお客に扮したゲストが店を訪れ芸能界の噂話に花を咲かせるような番組が流行したのも上記のような理由があったからかもしれません。
友達同士の集まる店の雰囲気を売りにしてみませんか?