とある地方のイベントでのこと
先日、とある地方でのお祭りに高校生が浴衣を着て地元を外国人に案内するというイベントがありました。その際に面白い話を聞いたのでご紹介しようと思います。
今時は女子高生が浴衣の着付けができることなどは少なく、親御さんですら自分の着付けもままならないなんて話は決して珍しい光景ではありません。今回のイベントもまさにその通りで着付けを担当する先生も悩みを抱えていました。
親御さんの助け
その時、一人の女子高生のお母さんが「私が手伝いましょうか?」と着付けを買って出てくれることで無事にそのピンチを回避することができました。そしてその手つきのあまりに見事なことを感心していると「私は若い時に地元の呉服屋さんで働いておりました。そのため生地類の取り扱いは慣れています。また着付けもその際に学ぶことができました」とお話しされておりました。
ここまでのお話だと地元の活動を支えてくれたいい親御さんのお話なのですが、そのお話には後日談があります。着付けをしてくれた親御さんには娘さんがいます。言ってみれば親御さんは自分の娘さんに着付けをしてあげたことになりますね。その娘さんの友人に「〜ちゃんのお母さんはスゴイね」と言うと意外な答えが返ってきたのです。
特技は裁縫
「あの子は昔から裁縫が得意でした。中学の家庭科も誰よりも早く裁縫を仕上げていましたよ」と言ったのです。今時家庭科のしかも「裁縫」が得意な女子高生って珍しいと思いましたが、今では全国から見てもトップレベルの進学校である某女子校も毎朝裁縫の授業を行うと言います。手先を動かすことが結果的に見て脳の働きを活性化することをいち早く取り入れてのことだと思いますが、それくらい裁縫の授業は再評価されている授業でもあります。
機織りが出来る高校生?
加えて「あの子は機織りも得意で機織りの伝統技術を伝承している施設で試しに機織りをしたら施設の方からうちで弟子入りしないか?」と言われたと言います。機織りと女子高生。今の都会ではまずお目にかかれない組み合わせだと思いませんか?
かつての女性たち
私の母が嫁いでくる際に祖母から反物と和服を数着分持たされて来たと言っていました。当時は反物を買うお金もなかったので絹糸の生産から機織り、さらにはそこからの着物を縫製するところまで祖母が一人でやったと言っていました。今思えば昔の女性はそれくらいマルチタレントであったと言ってもいいでしょう。
スポンサーリンクその高校生のイベントを主催した先生は今後「藍染」を授業や地元のイベントに出来ないか?と計画をしているそうです。女性の手から手へと受け渡される伝統に夢を感じる人は多いのではないでしょうか?