人口統計
地方の方たちは人口減を切実な問題と考えている反面、国がなんとかするだろうとか、地域おこしで人口増を図ればいいと考えていらっしゃると思います。しかしその実態はかなりシリアスに考えてもらうしかないと言わざるおえません。と言うのもたいていの場合人口の増減はある特定の時期を暫定的に想定しその時点での人口を計算します。例えば2030年時点である特定地域の人口は「〜名、男性〜名、女性〜名」といった感じですね。
天災等のリスクは考慮されていない
その人口はその時点での計算なので天災や感染症の大量感染による死亡率は考慮されていません。今年発生した九州北部大水害のような天災が起これば一気に人口の流出の可能性があるわけです。実際「東日本大震災」以降の東北の福島、宮城、岩手は人口の自然減少以外にも流出でかなりの人数が減っているわけです。
天災でもない限り一気に減少はしない
問題として覚えておいて頂きたいのが「ある特定の時期においての人口」が現在と対比して「〜名」で減少率何%ということではありません。その時期に入っていきなり人口が減るのではなく徐々に減りながらその時期になるということなのです。
とある地方都市での会話
これはある地方都市でお話ししたことです。その地域はとても勉強熱心で2030年には今の人口が半分になるということを把握していました。事業者向けにそのための対策の勉強会も開催するほどの熱の入れようです。その代表の方と話したときのことです。
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「2030年に人口半分ですよね?ということであれば現在の税収は増税に向かっていますか?」「市長は概ね増税基調ですね。極力抑えているようですが」「人口減に向けて対策を考えていらっしゃるようですが、2015年現在からみてもしもこのペースで人口が減っていったら2030年を待つことなく東京オリンピックのわずか3年後あたりには今の税金が2倍を突破することは計算されましたか?」「………….おそらくそういうことになるはずです」
その方は元国家公務員、いわゆるキャリアの方です。今は地元の経営者をなさっています。そしてこの会話からわかることはその地域の勉強会の中でその増税の計算をしている人が誰もいないということです。その翌年、その方はご自身の本店所在地を県庁所在地に移転されました。元の本店は現在支店として継続されているはずです。
必要なのは対策ですが
その勉強会は財政が破綻した経緯を持つ「夕張市」の視察に行くほど研究をされていました。それでもそのレベルなのです。そして人口減は他地域から人を入れれば済むという問題ではありません。地元の人口が増えれば他地域の人口は減ります。ミクロでは人口増でもマクロでは人口減には変わりありません。またその地域でお金を出せばいいというものでもありません。生活保護受給者の人口が増えたところで財政危機には変わりありません。本当に難しい問題なのです。
人口減は時限爆弾です。一刻も早い対策を検討する必要があります。