ふるさとRe:Boot研究所

本当のふるさとを愛するために今私たちの出来ること

鮎の放流

約3分
鮎の放流

季節の風物詩

私が住む神奈川県には鮎の放流シーズンがあります。昔は自生していた鮎ですがあまりにも乱獲されてしまいいまでは放流して捕ると言う形になっています。

屋形船

その放流される川はダムが出来る前はとても水量が多く年に数回洪水が起こるほどの川でした。その頃はその川べりの町は養蚕の中継地として有名で夏は芸者さんを乗せた屋形船を浮かべ花火を打ち上げると言うのが恒例行事でした。養蚕農家のおじさんたちはその川べりで絹を船積みし、もらったお金で芸者さんを上げて遊んでいたと言う事ですね。

もちろん今では養蚕もほとんど行なわれませんし、船積みするような絹はないのですっかり寂れてしまいましたが今でも花火は年に一回打ち上げられています。当然ですが屋形船を浮かべるような芸者旅館もありません。今でもそのエリアでは有名な芸者旅館の名前は地元の古老の人の間でのみ通用する地名となっています。

今も残る当時の花火

今は解りませんが30年ほど前までは地元の高校生は男女のカップルで花火を見るのが夏休みの始まりのシグナルであったと言われています。二つの駅の間を流れる川に二つの駅から昇降客が集まりひとしきり花火を楽しんで夏の始まりを感じていたと言う事になりますね。今でこそ見かけなくなった在りし日の屋形船の風情を河原から見ていたのを覚えています。

変わるふるさとのイベント

時代の流れに逆らえなかった屋形船を芸者さんと同時に鮎も自生していたものと釣り上げたりしていた形から放流したものを釣り上げたり、子供たちはつかみ取りをしたりするようになりました。ダムが出来た事で天災は無くなりましたがかつての風情のある景色はすっかり様変わりしてしまいましたね。

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同じようなケースだと海の潮干狩りがそうですね。以前は自生していたあさりも今ではシーズン前に潮干狩りの出来るエリアにあさりを放し、数日後に漁業券を発売して潮干狩りを行なわせる。アミューズメントを作ると言う意味において地元は忠実に観光誘致を行なっていると言う事になります。

今後はこう言った地元行事はそのままの規模を維持していくのは難しい時代になって行くと思われます。言うまでもなく景気の問題と人口の減少ですね。若者が減っているのも一つの問題でしょうし運営サイドも予算に頭を悩ませることに加え後継者不足の時代にあっては厳しい選択が求められて来るでしょう。

後継者不足

後継者は青田刈りのごとく高校生くらいから地元で育てるような形になるのではないかと思います。正直なところ人材の奪い合い的な時代が来るのではないかと想像しています。同時に伝統行事も自然淘汰の時代には言って来ているのではないかと考えています。

About The Author

代表katoP
katoP(Pはプロデューサーの略)
神奈川県生まれ。
神奈川の県央部の高校を卒業し東京にて大学を卒業。
20世紀を不動産業と金融機関交渉代行を仕事として過ごす。
(主に賃貸と都市銀行との交渉)
21世紀に入り町おこしのプロデューサーを始め、独自メディアの編纂やコストを減らした広報手段等をアドバイスしてきた。
創刊した広報誌の編集長は軒並み2年以内に各都道府県の知事と対談しTVに出演、中には世界規模の活動に成長した組織もある。
このたびその活動を元に日本中で行われる町おこしの実体と検証、また主に学生たちの町おこし活動をまとめ、各地の町おこしの参考実例集を作るべく「ふるさとRe:Boot研究所」を立ち上げた。
各メディア記事と実例を元に、独自の視点でのイノベーションを提案するスタイルにファンも増加中!!

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