高校生の進路希望
現在とある地方の農業高校の就職率を聞きました。進学がほとんどないその高校の農業就業率は30%しかありません。残りは一般企業に就職なのです。今日は農業が流行しているのにもかかわらず農業人口が減り続けている現状について考えてみたいと思います。
高校生の就職希望先
農業に就業しない高校生が希望していることは何かといえば「安定した就職先」具体的に言うと「公務員」だそうです。この辺りは一般的な学生の就職希望とあまり変わりませんね。理由は安定した現金収入が欲しいと言ったところでしょう。この不景気なご時世、いたって普通の考え方であると思います。
なぜ就農したくない?
ではなぜ農業就業率が低いのか?これほど帰農が流行しているにもかかわらず農家が減り続けるのか?を考えてみる必要があります。ひとつは収入の不安定性。収穫期以外は専業農家の収入はありません。両親と同居であれば年金やアルバイト、出稼ぎなどが現金収入になります。万が一どこかで家族の入院でもあれば一気に仕事もお金も失いかねない状況です。両親が農家をやっていてもその風景を見ることから自分も就農する選択が思いつかない学生さんも多いと思います。
対策はあるのか?
ではどうすればいいのか?この答えは明白です。農家の現金収入を明確化することです。現代では農業法人化も増えつつある時代、スタッフも雇えれば決算をすることで節税も可能です。ただし農家の皆さんは変化を嫌います。なので新制度に適応する運営には時間がかかっても当然ではないかと思います。
もっとも稼ぐ農家さんは
私の知る農家さんの中でもっとも稼いでいる農家さんの言葉に「一反あたり一千万稼げない農家はやめたほうがいい」という言葉があります。それは作るものを厳選し高価で取引されるものにリソースを集中し時期をずらし種や栽培方法を明らかにせず高額取引をベースとした百貨店相手の商売を想定したマーケティングを行っている農家さんの言葉です。
そうはいっても
確かに数年前、大手の百貨店は1kg1万円のお米を販売し1kg3万円のお米を探していました。当時JAに供出されるお米の価格は1俵あたり13,000円程度でしたからその価格差実に45倍以上です。そのトップレベルで勝負しろということですね。
全てではないけれど
当然全ての農家さんができることではありません。地元のJAとの付き合いもありますし。ですが地元の若者の就農率が低すぎるとするならばそれはその収入にあるのかもしれません。言い換えれば学校側は農業でかなり豊かに暮らしている人の話を学生に聞かせてあげる必要があるのかもしれませんね。