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祭りは客寄せではなく地元のためのものだった
祭りと聞くと昔なら地元民が楽しむものと決まっていました。地元民以外でもせいぜい近隣の集落から若者が集まってくる程度のものでした。
同時に結婚相手との出会いの場でもあった
私の父の時代、見合い結婚は通常同じ集落内か、遠縁の親戚を辿って年端の近い相手とセッティングされていました。
その中にあって祭りは集落内や遠縁の親戚以外の異性と巡り会う奇跡的なイベントであったと言われています。
当然、器量のいい子は集落内でも人気があり他所者に奪われるわけには行きません。また女の子も心得たものでステキな縁の巡り会いに備えて着物や匂い袋等を携帯し色香を振りまいていたとも言われています。
トラブル回避の秘策
その際に顔が解ってしまうとあとから因縁を付けられたりケンカになってしまうことを避けるために顔を隠してお祭りに参加していました。男女共々顔が解らない相手と祭りを通して見合いしていたわけです。
以前は顔を手ぬぐいで隠すことで自分のことを隠してあっていたそうですが同時にひょっとこやおかめのお面を身につけて巡り会いを楽しんだそうです。それが後年、戦隊もののヒーローのお面やアニメの女の子のお面に変わったわけです。
私が子供の頃にはすでにアニメの戦隊もののお面とかがたくさん販売されていたのですが子供ながらに「なぜあんなにたくさんお面を売ってるのだろう?」「良い大人がなぜひょっとこのお面なんて買ってるのだろう?」と思ったものです。なぜならあのお面をつけていたら美味しいわたあめも食べられないし、りんご飴もかじれない。金魚すくいや射的は視界が狭まって不便になるしお面は都合の悪いことだらけにしか見えなかったわけですね。
しかしながらあれはあれで大人としてのたしなみとして出会いを演出していた道具であったことを今更ながらに理解しました。
バレないようにバレて欲しい切なさ
とは言え頭に載せた手ぬぐいや腰に下げた匂い袋等でなんとなくは誰か解るように「わざと」仕掛けを用意していたのも事実ですね。
セキュリティの時代が変わった
今の時代、スマホやネットでどこの誰かが瞬時に解ってしまうわけですから顔を隠す意味と言っても以前ほどの重要性はありません。言い換えれば祭りのセキュリティよりはネットのセキュリティの方を先になんとかした方が良い時代になって来ているわけです。
本来はエンターテイメント、だからこそ今一度考えてみませんか?
とは言え浴衣を着たり、お面を頭に載せたり射的や金魚すくい等、本来祭りはエンターテイメントであったことを思い出すと単なる決まり事を繰り返すために行なわれているのではないと言うのが見えてくると思います。
現代ならではの祭りのエンターテイメント化を考えてみると面白いと思いませんか?