こしひかりのふるさと
少し前の記事でも書きましたがコシヒカリのふるさとは福井県です。ですが今、コシヒカリと言ったら新潟県の魚沼産が代名詞となっています。
福井県は元々チャレンジャー精神が強いエリアで品種改良にも熱心に取り組んでいました。そこから食味が良く、収穫高の高い実の入のいいコシヒカリが生まれたわけです。
なぜ福井生まれが魚沼産?
ではなぜそのコシヒカリの代名詞が魚沼産になったのかと言えばその立地環境に秘密がありました。
一言で魚沼産コシヒカリと言っても実はランクがあります。新潟県南部を魚沼産と言っていますが魚沼産の米の収穫高は新潟全体から見て約10%です。そのなかの塩沢町、六日町と十日町市が「特A地域」とされていて魚沼ブランドをもってしても本当に美味しいものはとても限られていることが解ると思います。
なぜこのエリアのお米が「特A地域」に認定されているのか?これは意外な理由がありました。このエリアは周りが山で日照時間が短く夏場の昼夜での寒暖差が大きいのです。昼夜の温度差が大きいと稲の中ででんぷん質の減少が少なくて食味のいいお米が取れるのです。また豪雪地帯からなる雪解け水が地中のミネラルと豊富な栄養分を分解すること無く与えているからと言われています。
他の作物ではどうなるか?わからない。
これを他の作物で栽培を考えたらどうなっていたでしょう?寒暖差は作物に取ってストレスになります。果物等であれば甘みが増すこともありますが一歩間違うと冷害に遭い一年の努力が水の泡になることもあるのです。
つまりコシヒカリは魚沼の地勢と気象に合致した優秀なお米だったと言うことが解るでしょう。
運命がレモンを渡すならレモネードを作れ!!
有名な自己啓発の大家「ディール・カーネギー」と言う人が著書「道は開ける」の中で「運命がレモンをよこしたらレモネードを作る努力をしろ」と言う言葉があります。酸っぱいレモンをただ作るだけではなかなかお金にはならない。でも、レモネードが作れればのどの渇きをいやし一日に何杯でも飲むことが出来る。それを製造して販売すればレモン単体では大した売上にならなくてもレモネードが高価格で大量に販売出来るであろうと言う意味です。
魚沼産コシヒカリはレモネード?
まさに魚沼はこの「レモネードを作った」と言っても良いでしょう。環境の不利をものともせず、自分たちのふるさとにあった農作物を探し出し日本一にする。まさにまちおこしの醍醐味の一つではないでしょうか?
悪環境は決してハンデではありません。レモネードを作る努力が出来ればむしろ宝の山なのかもしれませんね。